レコーディングの流れ

1.ミーティング(無料です)

  • まず、担当エンジニアとのミーティングがあります。 編成、録音したい曲数、完成のイメージなどお聞かせ頂き、録音の方法、進め方など決めて行きます。 録音検討中のお客様とのミーティングも無料です。スタジオが見たい、電話で色々聞きたいと言うお客様も大歓迎です!

2.セッティング

  • エンジニアは1時間前にはスタジオに入り、 打ち合わせで決まった内容のマイクの準備など、スタジオセットアップをしています。 (もちろんお客様も早めにお越し頂いてもOKです。) スタジオに到着したら、まずはいつものように楽器やアンプ類などのセッティングをしましょう。

3.音作り

  • 楽器のセッティングが終わったらマイクを楽器にセッティングしていきます。「マイキング」で集音した音にミキサーで音作りを行い録音していきます。音作りとはでイコライジング処理で不要なノイズや低音のカット、おいしい所をブーストしたり、「ダイナミクス処理」で音量差(ダイナミクス)を調整する事を言います。
  • ドラム:平均30分〜40分
    コツはチューニングです。 Rinky Dinkのエンジニアは全員がドラムのチューニング技術を持っています。 狙っている音をお伝え頂ければ調整させて頂きます。
  • ベース:平均10分
    ベースは音量差(ダイナミクス)の大きい楽器です。音作りに少し時間頂きます。
  • エレキギター:平均10分
    音色が多彩で周波数レンジが切り替わるので、それに応じてマイキングや音作りが変わります。
  • アコースティックギター:平均5分
    マイクの数は比較的少ない事が多く、音色は一つなので、エレキギターに比べて準備に要する時間は少ないです。
  • シンセサイザー・エレピ等:平均5分
    シンセサイザー、エレピ、サンプラーと言った楽器は「DI」を用いて「ライン録音」する事が多いです。もちろんスピーカーから出してマイク録音する場合もあります。
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4.録音開始

  • 録音では楽器間の音の干渉を減らす為に部屋を分けたり、アンプの音量を小さくしたり、普段のライブや、リハとは異なった聞こえ方の中で演奏する事になります。録音ではそういった環境改善の為にキューボックスと言う小型ミキサーを手元に置いてヘッドホンをつけて演奏する事になります。キューボックスを使って演奏しやすい音量(モニターバランス)をしっかり作ることがコツになります。
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5.オーバーダビング

  • いつもはギター1本のパートも、 録音では2本にしたり、別の楽器を重ねる事も可能です。ここまでで録音した音源を聴きながら、ギターを重ねたり、パーカッションを重ねたりなど、必要に応じて音を追加していきます。
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6.ボーカル録音

  • ついに、オケに歌を入れます。一発入魂で一気に録る方や、細かく分けて丁寧に録っていく方など、 人によってレコーディングの仕方は様々です。 一番自分達の良さが活かせる方法で録りましょう。
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7.ミックス

  • 楽曲自体の迫力や奥行きや音圧感をイメージ通りのものにするために、 録音された楽器や歌の音色や音量を調整したり、エフェクト処理を施します。 この作業は、楽曲の構成や目指す音質にもよりますが、短くても1曲1時間ほどかかります。 (トラックの数、曲の長さなどにより変わります。)
    ピッチ修正やリズム編集などを行う場合は、その量に応じた時間が必要になります。 イメージ通りの音に仕上がったら、ついに音源完成となります! CDR、WAVデータなど、お客様のご希望に沿った形でお渡しさせて頂きます。
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レコーディング用語集

・マイキング

楽器や声にマイクを立てて狙うこと。音源からの距離や角度、マイクやマイクアンプの種類でかなり録り音が変わるので、レコーディングにおいて重要なポイント。立て方やマイクのセレクトはエンジニアによって様々であり、エンジニアの個性ともなっている。オンマイクと呼ばれる音源の近い所に立てるマイクと、オフマイクと呼ばれる離れた場所から狙うマイクを組み合わせて使用したりすることもあり、一つの音源に何本のマイクを使うかは状況次第で決まっていない。ルームマイクと呼ばれる、音源自体を狙わず楽器の置かれた部屋の響きを録るマイクの立て方もある。

・ゲインセッティング

音源の音量は楽器、声によらず様々であり、またマイク自体の感度、マイクアンプの初期設定音量も異なっている。マイクやマイクアンプの感度・音量をゲインと呼び、レコーダーに録音する際に適正な音量で録音するためにマイクアンプのツマミを回したり、パッドと呼ばれる減衰回路を通してオーバーレベルを防いだりすることを ゲインセッティングと呼ぶ。

・イコライジング処理

イコライザー(EQと略すことも多い)という機材によって、音の周波数別のボリュームを調整すること。別記のコンプレッサーと並んで、レコーディングにおいて基本となる処理。音の明るさ、重さ、暖かみ、前後の立ち位置の調整といった積極的な音作りから、文字通りミックスするために他のトラックとの馴染みかたを調整したり、不要なノイズの帯域をカットしたりする用途まで幅広く使用する。

・ダイナミクス処理

主にコンプレッサー(コンプ)という機材により音のボリューム変動をなだらかにしたり、アタックを強調したり、余韻を伸ばしたりといった調整を行うこと。積極的な音作りはもちろん、レコーダーに入るレベル(ボリューム)がピークを超してクリップノイズを発生させることを防ぐ用途にも使用する。特にボーカルやドラムなど、強弱の激しい音源に対しては使用率が高い。コンプの他にも、ダイナミクス系のエフェクターには数種あり、余韻を断ち切るゲート、狙った音以外を小さくするエクスパンダーなど。リミッターというのはコンプレッサーの挙動の一つとしても存在するが、最初からリミッターと銘打たれた製品は特に、一定以上の音量を強制的に抑えるような働きをするもの。

・ダイナミクス

音の強弱の差のこと。音の大きさではなく、一つの音源が小さい音から大きい音まで出す場合、その音量差が 激しい場合に「ダイナミクスがある」「ダイナミックレンジが広い」という言い方をする。

・周波数レンジ

低い音から高い音までの幅のこと。楽器や声には中心となる周波数があり、そこから上下にどれくらい伸びて 聞こえるかを言う。高い音から低い音までまんべんなく聞こえる音源に対して「周波数レンジが広い」もしくは、 単に「レンジが広い」という風に使用する。

・DI

「ダイレクト・ボックス」のこと。よくライブハウスのベースアンプの上に置いてあるアレである。なぜ「D・B」じゃないのかと言うと、英語だと「ダイレクト・インジェクション」(直接接続)という物 だからである。エレクトリックギターやエレクトリックベースといった楽器の出力抵抗は高く、それらを直接ミキサー等に繋ごうとすると、本来の音より痩せて録れてしまったり、ケーブルの長さによってノイズが増えたりするので、 それを防ぐために使用する。

・ライン録音

マイクを使わず、直接楽器とミキサーやマイクアンプ(ラインアンプ)を接続して録音するやり方。ライン録音でもアンプを通してマイク録音したような音で録音するための機材として、ギターやベースではPODが有名。キーボード類もライン録音することが多いが、ギターアンプを通してマイク録りすることもある。

・モニターバランス

使いどころの多い単語だが、文脈ではミュージシャンが録音時に録りやすくするための(主にヘッドホン内の)バランスのこと。これは演奏する楽器や個人の好みによっても異なり、例えばドラマーはクリックとベースが大きい人が多いとか、リズム楽器と音程楽器が聞こえていれば効果音的なものは(既に録ってあっても)聞こえない方が良いなど、時と場合で適切なバランスが異なる。ボーカル録音の際は特に重要で、ヘッドホン内の自分の声が大きすぎると音程が取りにくくなったり、小さめの声で歌ってしまったりしてしまう。逆に自分の声が小さすぎると無意識のうちに普段より大きな声を出してしまい、いつもより早く声が枯れてしまうといった事態を引き起こしたりもする。

・クリック

いわゆる、「メトロノーム」のこと。曲のテンポが決められている場合に、演奏が走ったりモタったりすることを防ぐためのガイドとして、カウベルや電子音を4分音符や8分音符などのタイミングで録音時に聞けるようにしたもの。しかしこれに合わせて演奏するには「クリックと合わせるための練習」が必要になってくるほど最初は難しく(特にドラム)、慣れていない場合は「クリックに合わせようとした感」がありありと出てしまうような演奏になってしまうことも多い。これは、「自然に少しずつ走った」というのとは訳が違い、急にある一音符が早かったり遅かったりしてしまうので、不慣れなくらいなら使わないで演奏した方が良い結果を生む場合が多い。しかし、いわゆる「同期もの」「打ち込み」といった決まったテンポで機械が演奏する物を楽曲に入れたい場合は必須スキルでもあるので、そういった楽曲を録ろうとしている方々は十分にクリックに慣れておく必要がある。

・エフェクト処理

先に上げたイコライジング、ダイナミクス処理もこれに含まれるが、要はエフェクターと呼ばれる機材を使って 音を加工する作業全般をさす。メジャーな物としては残響感や空間の広さを演出するリバーブ、ディレイ。音を歪ませるオーバードライブ、ディストーション。ディレイの派生系だが、音の広がりを演出したりしゅわしゅわさせたりするコーラス、フェイザー、フランジャーなど。細かい動作の違いで呼び名の違うものもあり、その種類は大変多い。エレクトリックギター等のエフェクトで良く聞かれるのが、「かけて録っちゃった方がいいですか?後からかけてもらった方がいいですか?」というものだが、エフェクターは同じ種類でも物によって個性があり、一つ一つ音が違うものなので、使っているエフェクターの音がお気に入りならばかけて録らないと同じ音は出ない。ただし録音したあとでミックスの際にかけるメリットもあり、他の楽器のミックスの具合を聞きながらかける量を調整できたり、モノラルでかかることの多いギターエフェクトに対して、ステレオで左右に広げる、動かす、と言ったことができたりする。なので、時と場合によって良い方をセレクトしましょうという風に答えることにしている。

・ピッチ修正

時代が進み、コンピューターが発達したおかげで今はなんと歌の音程を録ったあとで変えることができちゃいます!ということで実際の作業を見せると、「すげー、これはアーって一音歌ったら後はコンピューターで完成させられちゃうんじゃね」というようなことを言い出す人がいますが、そうはなりません。初音ミクより酷いことになります。おおまかに言うと半音~一音程度のずれまでがナチュラルさを保てる限界あたりです。歌い方によってはもっといけたり狭かったりしますし、シャウトなどの歪んだ声はコンピュータが音程として認識してくれないこともあります。特殊な使い方としてはいわゆる「ケロケロボイス」もこのエフェクターで生成します。かかる時間は修正量に依存しますが、歌ものの楽曲のメインボーカルから複数本あるハモりコーラスまで全て本気で直す、となると、ピッチ修正の作業だけで一曲1~2時間以上かかってくることもあります。ピッチ修正をご希望の場合は、あらかじめスケジュールにミックスとは別にピッチ修正枠を考えた方がよいかと思います。